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平和宣言案作りに着手 広島で初会合 世界の指導者へ訴え

 広島市長のことしの平和宣言の文案を検討する、有識者や被爆者の懇談会が22日、市役所で初会合を開いた。6月に予定される米朝首脳会談などの国際情勢を踏まえて意見交換。松井一実市長は宣言で、被爆の実態の発信を基調に、市民社会が政治指導者に核兵器廃絶への行動を促す重要性を訴える考えを示した。

 座長の松井市長と委員10人が出席した。松井市長はあいさつで昨年7月に制定された核兵器禁止条約の重要性を指摘する一方で、核兵器が世界に約1万5千発存在するとして「廃絶には程遠い」と強調。「(平和宣言で)核抑止力に頼る世界の為政者に強く訴えることができないかと考えている」と述べた。

 その後、非公開で意見交換。終了後に記者会見した松井市長によると、対話による問題解決や市民社会の指導者への働き掛け、被爆の後障害の発信を重視する意見などが出たという。松井市長は「被爆の実相を市民社会にどう訴えるか、それが世界の為政者にどういう動きを促すか、そんな構成がいいと思う」と述べた。

 次回は6月中旬に開き、骨子について議論する。7月上旬に文案を検討し、意見を踏まえて原爆の日までに松井市長が起草する。(水川恭輔)

(2018年5月23日朝刊掲載)

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