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騒音被害対策へ 新交付制度要望 広島県が国に

 広島県は6日、米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転により増加している米軍機飛行の騒音被害対策のため、県内の自治体を対象にした新たな交付金制度を創設するよう防衛省に要望した。

 湯崎英彦知事が防衛省を訪ね、小野寺五典防衛相に要望書を手渡した。艦載機移転後に米軍機の県内の飛行訓練空域などで騒音被害が増えているとして、訓練空域を防衛施設とみなし、空域下の市町と県を対象にした交付金制度を新設するよう求めている。

 面会は冒頭を除き非公開。終了後、湯崎知事は「防音対策などで住民の暮らしを守るには財源が要る。騒音の現状を説明すると防衛相は驚き、実態を把握するよう職員に指示していた」と話した。

 厚木基地(神奈川県)から岩国基地への艦載機移転は2017年8月に始まり、今年3月に完了した。訓練空域「エリア567」下の廿日市市や広島県北広島町では移転後、70デシベル以上の騒音の測定数が増加。岩国市に隣接する大竹市や、エリア567下にある安芸太田町を含めた地域で、低空飛行の目撃件数や騒音苦情が増加傾向にある。

 国の19年度予算編成に向けた施策の提案、要望の一環で、外務省にも同様の要望をした。湯崎知事と担当局長たちは他省庁なども回り、広島都市圏東部のJR線を高架化する連続立体交差事業の財源確保やヒアリ対策の徹底を求めた。

(2018年6月7日朝刊掲載)

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