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旧中島地区の生活解説 広島で被爆遺構発掘報告会

 原爆で壊滅した旧中島地区の街の遺構が見つかった原爆資料館本館(広島市中区)敷地の発掘調査の報告会が7日、資料館東館であった。市文化財団の主催。発掘に当たった同財団の学芸員たちが、建物の跡や当時の生活品から被爆前の暮らしぶりを解説した。

 同財団の田村規充・主任学芸員が、被爆時の地層面から確認された銭湯の浴室のタイルや、防空壕(ごう)の跡を写真を交えて紹介。タヌキや「のらくろ」をかたどったおもちゃの人形も見つかったとし、「当時の子どもたちの暮らしが感じられる」と指摘した。

 原爆資料館の落葉裕信学芸員は、発掘現場付近にあった誓願寺の被爆前後の写真などを基に、被害の実態を説明。会場には発掘調査で出土した被爆瓦や溶けたガラス瓶も並べられ、来場者が見入っていた。

 発掘調査は2015年11月~17年3月、資料館本館の地中に免震装置を取り付ける前に遺構を記録保存するため市が同財団に委託して実施。財団は19年度までに調査報告書をまとめる。(水川恭輔)

(2018年7月8日朝刊掲載)

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