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ヒロセミ20年 連携末永く カザフ被曝者支援団体 南区で記念行事

 旧ソ連時代に繰り返された核実験によるカザフスタンの被曝(ひばく)者支援に取り組む広島市の市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」(ヒロセミ)が7日、南区の市留学生会館で発足20年の記念行事を開いた。これまでの歩みを振り返り、広島とカザフのさらなる連携を訴えた。

 世話人代表の佐々木桂一さん(63)が「核被害を受けた地として、核廃絶への思いを共有しよう」とあいさつ。現地への医療支援や留学生受け入れの仲介などの活動を紹介した。

 核実験場近くのセメイ市(旧セミパラチンスク市)出身で、留学生として山陽女学園高等部(廿日市市)で学んだアケルケ・スルタノワさん(35)が講演。実験により発がんや流産、自殺の増加など住民に深刻な被害が出たと説明。「なぜ罪のない人たちが犠牲になったのか。疑問と怒りは消えない」と訴えた。

 パネル討論では、広島大の星正治名誉教授(放射線生物・物理学)たち4人が登壇。内部被曝に関する研究成果や核兵器を巡る現状について報告した。

 市民や関係者約30人が耳を傾けた。県被爆者支援課の八幡毅課長は「現地と心を通わせ、草の根レベルの交流が20年続いたことは宝。今後も息の長い活動を目指してほしい」と話した。(栾暁雨)

(2018年7月8日朝刊掲載)

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