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被爆者の体験 後世に 山口県立大 本年度も聞き取り

 山口県立大(山口市)は10日、学生による本年度の被爆体験の聞き取りを始めた。県原爆被爆者支援センターゆだ苑(同)と連携した取り組みで、来年3月までに県内の被爆者3人に話を聞き、冊子にまとめる。

 この日は多くの学生が参加する講義形式で行った。山口市の伝統工芸「大内塗」職人の小笠原貞雄さん(91)を招き、約100人が耳を傾けた。陸軍軍人だった小笠原さんは1945年8月7日、出張先の三次市から広島市へ戻り入市被爆。多くの遺体を焼いたことが忘れられず、80歳まで証言活動ができなかったと話した。

 また、平和記念公園(広島市中区)を訪ねるたびに身元不明の遺骨を納めた原爆供養塔に手を合わせていると述べた。一番前の席で聞いていた3年志賀京次郎さん(21)は「本やテレビで得た情報より重く、ずしりと響いた」と話していた。

 大学生による被爆体験の聞き取りは被爆70年の2015年、ゆだ苑評議員の加登田恵子学長の働き掛けで開始。13人から聞き取った内容を「平和のバトン」と題した証言集3冊にまとめ、県内の小中学校や図書館、広島と長崎の原爆資料館などに寄贈している。(門脇正樹)

(2018年7月11日朝刊掲載)
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