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「広島の家」暮らしぶり克明 米の平和運動家シュモー氏建設 資料館に写真など86点寄贈

 被爆後の広島市内で米国の平和運動家、故フロイド・シュモー氏たちが建設した「広島の家」に暮らした男性が、1955年前後の家族写真など86点を原爆資料館(広島市中区)に寄せた。復興期の暮らしぶりを伝えており、現存する「シュモーハウス」(中区江波二本松)で一部を公開している。

 寄贈したのは東京都杉並区の沖本一暁さん(66)。53年ごろに江波の住宅に家族4人で入居し、高校卒業まで過ごした。写真は、沖本さんの父で市職員だった千代市さんが、成長記録として撮ったとみられる。

 当時5歳ごろの沖本さんが自宅の玄関前で2歳下の弟洋明さんと遊ぶ様子や、子どもたちが笑顔で集う姿を写す。沖本さんは「近所でご飯をごちそうになり、年上のお兄さんたちにかわいがってもらった」と振り返る。

 昨年8月にシュモーハウスを訪れて学芸員や当時の住民に偶然会い、寄贈を決めた。広島の家はシュモー氏の主導で49~53年に21戸を建設。うち集会所はシュモーハウスに改装され、唯一残る。

 資料館にはこれまで建設風景の写真などが寄贈されている。同館は「住民が撮った写真の提供は初めてで、暮らしぶりが伝わる貴重な資料」としている。

 シュモーハウスでの企画展は関連の写真19点を展示する。入場無料、12月2日まで。月曜休館。同館学芸課☎082(241)4004。(明知隼二)

(2018年8月16日朝刊掲載)

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