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基町の今昔 写真で回顧 市営アパートで53枚

 戦後、原爆で家を失った市民が身を寄せた広島市中区基町地区にある市営基町アパートで、地域の歩みを伝える写真展が開かれている。住民が1960~80年代に撮影した写真と、同じ位置から撮った現在のカットの「今昔」を比べるなどした53枚を展示している。

 住民が基町アパートの屋上から撮影したカットは、1967~83年の9枚。モノクロが多く、戦災者が暮らした板張りの長屋住宅がひしめく。一方、同じ場所で今年6月に撮影された写真8枚では、長屋住宅群が市中央公園や基町幼稚園に姿を変えている。60~70年代にみこしを担いだ祭りなどの地域行事も紹介している。

 写真展は、区と広島市立大(安佐南区)が同地区の魅力発信に取り組む「基町プロジェクト」の一環。同大の教員たちが住民に写真提供を呼び掛けた。

 基町アパートは、同地区の住宅環境改善を目的に建設が進められ、78年に完了した。訪れた南区のカメラマン福場俊介さん(31)は「今と昔の写真を見比べると、移り変わりがよく分かる」と見入っていた。午前10時~午後5時。無料。(鐘尾佳子)

(2018年8月21日朝刊掲載)

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