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萩の候補地で住民説明会 地上イージス 「地下水影響」懸念の声

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の山口県内への配備計画で防衛省は13日、候補地の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市)内で地元住民向けの現地説明会を始めた。住民からは地質調査時のボーリングによる地下水への影響を懸念する声が相次いだ。

 初日は演習場のある萩市むつみ地区周辺の住民24人を招き、3回に分けて開催。同省職員が演習場の高台で資料を示し、32カ所でのボーリング前に周辺の河川や井戸水の現状を確認する流れを説明した。

 住民は「ため池は調べないのか」「何メートル掘るのか」などと質問。むつみ地区から参加した自営業白井一法さん(70)は「調査による地下水への影響が一番心配。できれば造ってほしくない」と訴えた。14、15日には、隣接する阿武町の住民や議員も招く。

 また防衛省はこの日、電磁波の専門家による説明会も両市町で初めて開催。人体への安全性の基準となる国の「電波防護指針」について首都大学東京の多気昌生教授が解説した。住民が懸念するレーダーの電磁波がもたらす人体への影響に関し「防護指針を満たしていれば安全だ」と述べた。

 同省は来年2月に電波環境の現地調査を実施し、人体や既存の通信施設への影響を調べる予定。「調査で演習場内から電波を(外部へ)発することはない」としている。(和多正憲)

(2018年10月14日朝刊掲載)

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