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戦没画学生の画集 市に遺族寄贈 25歳で戦死 周南出身の久保克彦氏

 山口県周南市出身で戦没画学生久保克彦氏(1918~44年)のおい、木村亨さん(82)=奈良市=が7日、自身が編集した「久保克彦遺作画集」201冊を周南市へ寄贈した。市は小中高校や図書館、市民センターなど90施設に置く予定だ。

 画集は縦25センチ、横26センチで194ページ。絵画作品のほか、手紙や詩、同級生の寄稿を載せる。久保氏は旧制徳山中学を卒業し東京美術学校(現東京芸術大)に入学。1942年に繰り上げ卒業で陸軍に入り、25歳だった44年に中国で戦死した。

 木村さんは市美術博物館で2001年にあった戦没画学生の企画展に来館。久保氏の卒業制作「図案対象」を初めて鑑賞した。5枚組みの絵で幅7メートルを超える大作。「作品の魅力や足跡を伝えたい」と02年に画集を刊行した。

 この日、木村さんは同館で木村健一郎市長に目録を手渡した。「叔父が願った学校への作品展示が別の形でかなった。若者が生きたくても生きられなかった時代を子どもに知ってもらいたい」と話した。(川上裕)

(2018年11月8日朝刊掲載)

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