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核禁止条約への姿勢問う サーローさん 広島市長らと面会

 カナダ・トロント市在住の被爆者で、昨年12月のノーベル平和賞授賞式で演説したサーロー節子さん(86)=広島市出身=が21日、広島市役所を訪れ、松井一実市長と面会した。被爆地広島の市長として、日本政府に核兵器禁止条約への署名と批准を進言するよう求めた。

 サーローさんは、現在の広島の姿に「灰燼(かいじん)に埋もれていたあの日以後の広島と比べて感激している」と強調。「広島滞在中に、皆さんが『二度と起こさせない』との思いを、どう実際の行動に移しているかを知りたい」と話した。

 松井市長には、日本政府に対し核兵器禁止条約の署名と批准を働き掛けているかを問い掛けた。松井市長は「反対する人を攻撃するのではなく、賛成を広げるやり方をしたい。私の信条だが、物足りないと言われる」と説明。会長を務める平和首長会議で、日本政府に条約締結を要請したことに触れ、「国政レベルではなく、住民に近い首長レベルでやりたい」と述べた。

 サーローさんはこの日、県庁で湯崎英彦知事にも面会。被爆地の広島と長崎が先頭に立ち、日本政府に署名と批准を働き掛けるよう求めた。(明知隼二)

(2018年11月22日朝刊掲載)

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