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戦時中に墜落した米軍機の破片が遺族へ 西区の森さんが郵送

■記者 森田裕美

 原爆投下直前に、撃墜された米軍機の一部とみられる金属片を保管している広島市西区の歴史研究家森重昭さん(71)に、搭乗していた米兵の遺族から手紙が届いた。森さんは「遺骨代わりに」と近く破片を郵送する。

 米軍機は1945年7月、佐伯郡八幡村(現佐伯区)に墜落したB24爆撃機タロア号。搭乗した11人のうち6人は即死。パラシュートで脱出した5人のうち2人は死亡、捕虜になった3人は爆心地に近い中国軍管区司令部で被爆死した。

 昨年、機体の一部とみられるジュラルミン製とアルミ製の金属が佐伯区の民家で見つかり、被爆米兵の調査を続ける森さんが切り取って消息が分かる2人の遺族に送った。

 その話を新聞記事で知ったケンタッキー州のリチャード・ラマーさん(50)が、森さんに手紙を書いた。搭乗員チャールス・アリソン軍曹のおい。1945年8月末に米軍から届いた「敵地で行方不明」との書簡のコピーも同封し「生きていると信じ、葬式は4年後だった」とつづっている。

 自身も被爆を経験した森さんは「悲しい記憶は日米とも同じ。軍曹の遺族と平和のために交流できれば」と期待している。

(2009年3月11日朝刊掲載)

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