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特攻前に平和願う遺書 呉で知覧の語り部講演

 広島県呉市の大和ミュージアムで17日、鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館で語り部活動をする桑代照明さん(62)が特攻の歴史や平和への思いを語った。来場者80人が聴講した。

 本土最南端の陸軍特攻基地だった知覧からは、特攻戦死した1036人のうち439人が出撃したことを説明。当時、なでしこ隊として特攻隊の奉仕をしていた母チノさん(89)から聞いた「食事が喉を通らず、布団をかぶりすすり泣く隊員もいた」とのエピソードも紹介した。

 出撃前に隊員が両親への思いをつづった遺書も読み上げ、「二度と悲惨な戦争をしないでほしい、という平和への願いが訴え掛けられている」と話した。

 大和ミュージアムは3月25日まで、知覧特攻平和会館が所蔵する隊員の鉢巻きや遺書のレプリカを展示している。(今井裕希)

(2019年2月18日朝刊掲載)

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