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連載・特集

[学校自慢アピール] 幟町小 6年生 平和のバトン役

碑巡り みんなを案内 説明する力もアップ

 広島市中区の幟町小は昨年の秋、新たな試みを始めました。「のぼり平和ウォーク」といいます。全児童が地元の被爆遺構や慰霊碑を約2時間かけて巡り、戦争の歴史や平和について考えます。ポイントは6年生がガイド役になること。調べたことを自分の言葉で下級生に説明するのです。

 昨年は1~6年生で十数人ずつのチームを結成。爆心地から1・1キロにあった旧幟町国民学校(現幟町小)の慰霊碑(中区)、原爆で焼け焦げた木で組んだ十字架を掲げる広島流川教会(同区)など12カ所を訪ねるコースを歩きました。

 6年平賀万愛(まな)さん(12)は「どうすれば1年生にも理解してもらえるか、考えるのが大変だった。うなずきながら聞いてくれてうれしかった」と振り返ります。

 「原爆の話を『聞かされている』と児童が受け身に捉えないよう、何か工夫しなければと長年考えてきた」と島本靖校長。「発信する立場になることで児童の興味や理解が深まった。探究心やプレゼン力も養われる」と期待します。

 6年生の姿を見て「いつか自分も伝える番に」と思いを膨らませる下級生も。先輩から後輩へ―。平和を願う心をつなぐ大切な行事として、年1回ずつ取り組んでいきます。(久保友美恵)

(2019年3月3日朝刊掲載)

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