×

ニュース

被爆建物の鉄骨 英の大学へ提供 広島大

 広島大(東広島市)は、昨年2月に解体された広島市南区の被爆建物「E.R.E宇品御幸ビル」(旧中国配電南部変電所)の鉄骨3本を英国のケンブリッジ大へ送った。学生たちが被爆の実相を学ぶ資料として提供する。

 鉄骨はいずれも長さ50センチで、直径2・2~0・8センチ。広島大研究員の嘉陽礼文さん(40)が解体時に、原爆の熱線を浴びたと考えられる壁面から採取した。ケンブリッジ大へは、被爆者と広島大の学生や留学生が共同で制作した陶器40点と、毛筆で「平和」「愛」と記した色紙15点も添えて3月26日に発送。近く現地で展示されるという。

 広島大は2010年以降、19カ国・地域の51大学に県産業奨励館(現原爆ドーム)の一部だったとみられるれんがの破片などを贈っている。嘉陽さんは「核保有国の英国の若者に被爆者の思いや体験を知ってもらい、核廃絶への思いを共有したい」と願っている。(小林可奈)

(2019年4月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ