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連載・特集

「韓国のヒロシマ」願う平和 陜川原爆資料館

 広島市内で被爆し、戦後に帰国した人が多いことから「韓国のヒロシマ」と呼ばれる慶尚南道陜川(ハプチョン)郡。広島の市民団体に同行し、2年前に開館した陜川原爆資料館を訪れた。日本の植民地時代に徴用などで来日した韓国の被爆者の目線で原爆被害を伝える。

 被爆者の療養施設「陜川原爆被害者福祉会館」に隣接する敷地に、自治体予算など21億ウォン(約1億9千万円)を投じ、2017年8月6日に開館した。1階の展示室に、原爆の「背景」「被害」「理解」をテーマに約100点の写真や被爆瓦、預金通帳などの遺品を展示。2階には、日本の被爆者援護法適用を求めて日本政府を提訴した裁判の記録や、被爆者の健康データを所蔵する。

 韓国原爆被害者協会陜川支部長も務める沈鎮泰(シム・ジンテ)館長(76)は広島市内で被爆した。「遺品展示にとどまらず、未来へ平和を発信する拠点にしたい」と話す。同館は月曜定休で入場無料。(桑島美帆、写真も)

(2019年5月24日中国新聞セレクト掲載)

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