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二つの広島県被団協「統合ない」 箕牧理事長代行

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之理事長代行は31日、もう一つの県被団協(佐久間邦彦理事長)との統合について「一緒になることはない」と明確に否定した。佐久間理事長が昨年6月、統合を提案していたが、今後も別々の活動が続くことが確定的になった。

 この日、広島市中区であった県被団協の総会後、報道陣に語った。箕牧氏は「過去の歴史があり、一緒にやっていくことは難しい」と述べ、統合の可能性を否定した。関係者によると、会員からも統合に否定的な意見が寄せられていたという。

 両団体は、旧ソ連や中国の核実験への姿勢などを巡って原水爆禁止運動が分裂したのを受け、1964年から別々に活動。会員の高齢化が進む中、佐久間理事長が昨年6月、「私見」としながらも「一緒になって活動していきたい考えがある」「これまで難しかったが、再検討する必要があると思う」と、統合の可能性に言及していた。

 県被団協の総会では、本年度の事業計画などを決定。高齢化に伴う会員減などを背景に、預貯金の取り崩しが続く現状を踏まえ、会員に初めて寄付を呼び掛けることを決めた。(明知隼二)

(2019年6月1日朝刊掲載)

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