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聖火リレー 中国地方は70市町村に 平和公園など 広島の豪雨被災地も

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、来年3月26日から47都道府県を巡る五輪聖火リレーのルート概要を発表した。東日本大震災などの被災地、各地の世界遺産や名所を組み込み、「復興五輪」の理念とともに地域の魅力を発信する。広島、山口両県内で経由地に選ばれた市町では、五輪を通じた地域の盛り上がりや、被爆地からの平和発信に期待する声が上がった。

 1日に公表された2020年東京五輪の聖火リレーのルートで、中国地方5県は70市町村が選ばれた。世界遺産の原爆ドームがある平和記念公園(広島市中区)や厳島神社がある宮島(廿日市市)、錦帯橋(岩国市)など、地域を代表する名所や景観が組み込まれた。広島は昨年7月の西日本豪雨の被災市町も通り、復興の歩みを発信する。

 5県の聖火リレーは20年5月14~15日の山口からスタートし、16~17日に島根、18~19日に広島、20~21日に岡山、22~23日に鳥取の順で巡る。通過する70市町村は、全107市町村の65・4%に当たる。5県別は広島が12市町▽山口が13市▽岡山が12市町▽島根が14市町村▽鳥取が全19市町村―となった。

 広島は18日、1964年東京五輪の開会式で最終聖火ランナーを務めた故坂井義則さんの出身地の三次市を出発する。庄原市、東広島市、呉市、坂町、広島市の順に通過。西日本豪雨の被災市町を巡って大会理念の一つである「復興五輪」のメッセージを発信し、平和記念公園でゴールする。

 19日は宮島のある廿日市市から海田町、三原市、尾道市、府中市を経由。福山市営競馬場跡地で20年3月の利用開始を予定する新総合体育館で終了する。

 山口は錦帯橋のほか、国内最大のカルスト台地の秋吉台(美祢市)などを計画する。島根は天守が国宝に指定されている松江城(松江市)や出雲大社(出雲市)に加え、離島の隠岐の島町と知夫村も通る。岡山は岡山城(岡山市北区)など、鳥取は鳥取砂丘(鳥取市)などを通過する。

 大会組織委員会によるとランナーは5県とも160~180人を見込む。5県の実行委員会はうち44人を7月1日に始める公募などで選ぶ。1人当たり約200メートルを走り、各県の走行距離は32~36キロ程度。ランナーが走る以外の区間の移動は車両を使うなどする。(村田拓也)

(2019年6月2日朝刊掲載)

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