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原爆後障害 研究を報告 広島市中区で医師ら

 被爆者医療や放射線の人体への影響について研究者が講演する「原子爆弾後障害研究会」が2日、広島市中区の広島国際会議場であった。広島原爆障害対策協議会(原対協)が企画し、医師や研究者約150人が参加した。

 大学教員たち6人が登壇した。広島市立大広島平和研究所の直野章子教授は、1957年施行の旧原爆医療法で、入市したり救護に当たったりした人も被爆者として認められた経緯を、「生存者の苦しみや不安を軽減しようとする医師の臨床的な知見があったため」と評価。一方で「亡くなった人や遺族を含めた原爆の被害者への補償は今もかなっていない」と指摘した。

 原対協健康管理・増進センターの前田亮所長は、被爆者へのがん検診などの取り組みを説明。「高齢化する中で、栄養や運動面での指導など健康福祉に貢献していく」と語った。

 研究会は広島市と長崎市で年1回、交互に開き60回目。26件の研究報告や、放射線影響研究所(南区)の丹羽太貫理事長の特別講演もあった。

(2019年6月3日朝刊掲載)

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