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岩国基地騒音 最多1614回 5月南側 艦載機訓練影響か

 米軍岩国基地(岩国市)南側の尾津町で5月に測定された騒音回数は1614回に上り、2010年の滑走路の沖合移設後で月別最多となったことが市のまとめで分かった。空母艦載機が東京都の硫黄島で実施した陸上空母離着陸訓練(FCLP)などに関連する運用の影響とみられる。

 市は市内5カ所に騒音測定器を設置。5月、尾津町の騒音回数は滑走路移設後最多だった昨年5月(1402回)に比べ212回増えた。基地北側の川口町でも1572回を記録。市への苦情件数は874件に上り、月別の過去最多だった昨年5月(903件)に次ぐ多さとなった。

 昨年5月は艦載機が岩国移転後初のFCLPを硫黄島で実施した。今年も5月9~18日に行い、事前訓練とみられる離着陸が岩国で活発化。川口町で7日、尾津町で8日にそれぞれ192回の騒音を計測した。FCLP後の23~27日には着艦資格取得訓練(CQ)が九州沖であり、滑走路の運用時間を過ぎた午後11時以降に14機の着陸と6機の離陸が確認された。

 昨年5月の騒音悪化を踏まえ、市や山口県などでつくる連絡協議会はFCLP前後の騒音軽減を基地や国に要請していた。基地側は「運用上の即応態勢を維持するとともに、訓練による地元への影響を最小限にするよう努力する」などと答えていた。(松本恭治)

(2019年6月5日朝刊掲載)

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