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陸奥犠牲者に誓う平和 周防大島で慰霊祭

 太平洋戦争中の1943年6月8日に山口県周防大島町沖で沈没した戦艦陸奥の犠牲者を悼む慰霊祭(東和陸奥顕彰会主催)が、同町伊保田の町油田農村環境改善センターであった。遺族や住民86人が参列した。

 8日営まれた式は、前日の悪天候のため、沈没海域を望む陸奥記念公園から会場を変更して実施した。黙とう後、同会会長の椎木巧町長が「平和への悲願が後世に受け継がれることを願う」と追悼。読経の中、参列者が祭壇に焼香した。

 大野小郎副艦長の長男で遺族代表の忠彦さん(89)=大阪府高槻市=は「亡くなった方の子どもが年老いる中、毎年慰霊祭に招いてもらい感謝している」とあいさつ。高齢のため今回で代表を退き、飯島国雄さん(75)=千葉県大網白里市=が引き継ぐと述べた。母の胎内にいるとき父正雄さん=当時(27)=を亡くした飯島さんは「父の顔は写真でしか見たことがない。体力が続く限り参列し、平和を願いたい」と話していた。

 旧海軍の主要な戦艦だった陸奥は原因不明の爆発で沈没。乗員1471人のうち1121人が亡くなった。(余村泰樹)

(2019年6月11日朝刊掲載)

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