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12ヵ国の若者 原爆被害学ぶ 広島「核廃絶フォーラム」始まる

 日本赤十字社(東京)の「核兵器廃絶に向けたユースアクションフォーラム」が1日、広島市内で始まった。欧州やアフリカなど12カ国の若者が、被爆証言や交流会を通して原爆被害の実態と核兵器の非人道性を学ぶ。

 「赤十字ユースボランティア」として災害の被災地や医療現場で活動する15人。原爆資料館(中区)を見学し、原爆慰霊碑に献花した後、被爆者の小倉桂子さん(81)=中区=の証言に耳を傾けた。小倉さんは壊滅した市内を捉えた写真や被爆者が描いた絵を見せ、「広島で何があったかを学んだ皆さんも原爆の目撃者。惨劇を繰り返さないため行動を」と訴えた。

 「報復ではなく和解を説く語りに感動した。核被害は生涯続くと知った」とフランスから来たジャック・グリモンさん(27)。米国の核実験場だった中部太平洋マーシャル諸島のディリア・マレスさん(37)は「私の家族にも核実験被害者がいる。似た境遇の者として共感し、勇気づけられた」と力を込めた。

 フォーラムは核兵器禁止条約の成立2周年と国際赤十字・赤新月社連盟の設立100周年に合わせて実施。一行は3日まで広島市内に滞在し、広島赤十字・原爆病院(中区)などを訪問する。(桑島美帆)

(2019年7月2日朝刊掲載)

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