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被爆直後の献身学ぶ 12カ国の若者 元看護学生証言

 12カ国から集まった「赤十字ユースボランティア」の15人が2日、広島市中区の広島赤十字・原爆病院(古川善也院長)を訪れ、被爆直後から看護学生として救急治療に当たった竹島直枝さん(91)=南区=から証言を聞いた。

 旧広島赤十字病院は爆心地から約1・5キロ。隣接する寮で被爆した竹島さんは、爆風で甚大な被害を受けた病院に押し寄せる患者の治療に、不眠不休で携わった。「油に漬けたガーゼを肌に当てるぐらいしかできず、本当にかわいそうな思いをさせた」と当時の混乱を振り返った。

 長く内戦が続いた南スーダン出身のロウオジオ・スティーブン・ロモンギンさん(29)は「自身も足をけがしながら救護し、今も体験を語っている姿に胸を打たれた。私の国は安定にはまだ遠い。広島で学んだことを伝えたい」と話した。

 病院訪問は1日に始まった「核兵器廃絶に向けたユースアクションフォーラム(主催・日本赤十字社)」の一環。被爆者のケロイドや臓器の標本が展示されている資料室、被爆建物だった旧病棟のモニュメントも見学した。(桑島美帆)

(2019年7月3日朝刊掲載)

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