×

ニュース

作家井伏鱒二 講演でしのぶ 福山の文学館

 福山市加茂町出身の作家井伏鱒二(1898~1993年)をしのぶ「鱒二忌」が、同市丸之内のふくやま文学館であった。井伏の命日(10日)を前に同館と同館友の会が開き、市民たち111人が参加した。

 早稲田大文学学術院の塩野加織准教授が「『翻訳』から見る井伏文学」と題して講演。初期の翻訳小説「父の罪」を取り上げ、文体や表現を後年の作品と比較。方言や言葉の使い分けなどを紹介し「井伏はデビューから『言葉』にこだわり続けた」と解説した。

 誠之館高3年細原千聖さん(17)=明王台=は「高校の大先輩の偉大さを改めて知った」と話した。友の会朗読の会「虹」による、井伏の短編の朗読もあった。

(2019年7月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ