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「原発事故 長引く影響」 広島大病院 福島派遣の2人報告

 福島県南相馬市で災害医療を学んだ、広島大病院(広島市南区)の研修医豊田有加里さん(26)と沢田桐子さん(26)=いずれも南区=の2人が25日、同病院で体験を報告した。「福島第1原発事故で若い世代が避難し、被災地は超高齢化している。医療従事者も足りていない」と長引く影響を指摘した。

 報告会は医師たち約30人が出席した。研修医2人は、同大病院が新設した研修プログラムを使って、現地入り。南相馬市立総合病院を拠点に4~15日、住民の内部被曝(ひばく)検査や、仮設住宅での健康相談などに当たった。

 「仮設住宅は異常なほど静か。子どもも気を使い、ストレスを抱えている」と豊田さん。沢田さんは「内部被曝検査の受診率が下がっている。医師が地域に入り込む必要がある」と力を込めた。

 2人は「現地では関心の薄れを懸念する声がある。被災地に寄り添い続けないといけない」と口をそろえた。広島大病院は新年度以降も、研修医からプログラムの参加者を募る。(桑田勇樹)

(2013年3月26日朝刊掲載)

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