×

ニュース

核廃絶の方策 若者発表 広島県・ICAN講座修了

 広島県がノーベル平和賞を2017年に受けた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))と連携し、国内外の若者に核廃絶の道筋を考えてもらう講座が8日、9日間の日程を終えた。参加した15人は世界から核兵器をなくす方策を発表し、締めくくった。

 「核兵器と安全保障を学ぶ広島―ICANアカデミー」。公募で選ばれた日本や韓国、欧米など11カ国の18~27歳が学んだ。最終日は広島市中区の広島クリスタルプラザで成果発表があり、5グループが各国の大使や有識者の講義などを踏まえて練ったアイデアを報告した。

 核抑止論からの脱却を目指すとしたグループは「国力」の考え方を転換する必要があると主張。軍事力より経済や倫理観を重視する発想を世界に浸透させると説いた。ソーシャルメディアで被爆者の体験談を発信し、被爆の実態を世界に届けるとした班もあった。

 9月から米ハーバード大で学ぶ大阪府大東市の柳津聡さん(18)は講座を振り返り「被爆者の体験談を聞いて被爆の悲惨さを肌で感じた。平和な世界のつくり方を考え続ける」と話した。

 受講者は広島県の下崎正浩国際部長から修了証書を受け取った。ICANの川崎哲(あきら)国際運営委員と記者会見した下崎部長は「世界的な発信力のあるICANと有益な人材育成ができた。来年度は受講者を増やし、本格実施したい」と語った。(樋口浩二)

(2019年8月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ