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被曝者医療 国際貢献学ぶ 広島中等教育学校の50人 HICAREが出前講座

 広島県や広島大など10機関でつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)は、広島市安佐北区三入東の広島中等教育学校で出前講座を開いた。医療や国際分野に関心を持つ1~6年の約50人が放射線の健康影響や同協議会の国際的な貢献を学び、将来について考える参考にした。

 HICARE幹事で、放射線影響研究所(放影研、南区)の児玉和紀業務執行理事(71)が講師を務めた。広島や長崎の原爆放射線による健康への影響を説明し、「被曝と関連してがんや白血病が増えている一方、関連が確認できていないがんもある。放射線の影響はまだ消えているわけではない」と強調した。

 HICAREの活動も紹介。海外医師の研修受け入れや専門家の派遣、福島第1原発事故への放射線量測定チームの派遣など調査研究の成果を国内外で生かしていると紹介した。

 人類が直面する問題として核の脅威と地球温暖化を挙げ「自分に何ができるかを考え、国際的に活躍してほしい」と次世代に期待。「留学したから国際的に活動できた。人との巡り合いを大切に」と呼び掛けた。

 医師に憧れる5年堂庭颯汰さん(17)=西区=は「世界がいい方向に向かうにはどうすればいいのかを考える機会になった。将来は海外で働きたい」と目を輝かせた。(山田英和)

(2019年10月8日朝刊掲載)

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