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原爆被害「心動かされた」 モルディブ大統領が広島訪問

 モルディブのイブラヒム・モハメド・ソーリフ大統領が26日、広島市中区の平和記念公園を初めて訪れた。原爆資料館で米国の原爆投下による市民の被害に触れ、「深く心を動かされた」と述べた。

 ソーリフ大統領は原爆慰霊碑に花輪をささげた後、滝川卓男館長の案内で資料館を見学。市街地の壊滅を伝えるCGや、熱線でやけどを負った被爆者の写真などに見入った。芳名録には「被爆の惨状を物語る遺品や資料に深く心を動かされた。都市の被害と広島市民の粘り強さの両方を伝えている」と書き込んだ。

 モルディブは9月、核兵器禁止条約を批准。ソーリフ大統領は昨年11月に就任し、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」に参加するため来日した。

 この日は、中東オマーンのアスアド国王代理兼国際関係・協力担当副首相も平和記念公園を訪ねた。滝川館長によると「核兵器は使用だけでなく、保有もされるべきではない」と語ったという。(久保田剛)

(2019年10月27日朝刊掲載)

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