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創業90年 多彩に発信 福屋八丁堀本店 屋上イベントや路面店充実

 10月に創業90年を迎えた百貨店の福屋(広島市中区)が、八丁堀本店(同)の魅力アップに力を入れている。屋上でのイベントを増やし、戦前からの歴史を伝える店内の表示物の多言語案内を計画。周辺の路面店も充実させている。

 屋上は2016年に芝生やテーブルを備えた広場などに改装した。17年以降は毎秋、高校生が主役の「あおぞら文化祭」の会場になっている。今年は10月27日、広島県内の8校が書道パフォーマンスやファッションショーを披露し、約500人が拍手を送った。

 5月には誰でも自由に弾ける「ストリートピアノ」を置いた。今月10日は音楽イベントを開く。福屋の担当者は「広島の中心部で開放感を味わえる。活用の幅を広げて多くの世代に来てもらい、地域のにぎわいに貢献したい」と意気込む。

 福屋は1929年10月1日、県内初の百貨店を開業した。八丁堀本店はその近くで38年に「福屋新館」として建った。今年の創業記念日は90年の歩みを振り返るパネルを1階に設置。見入る外国人客も多く、今月中にもスマートフォンなどで3言語で説明を見られるようにする。同時に展示を始めた被爆時の外壁の一部も、英語の説明文を付ける。

 八丁堀一帯の集客力を高めるため、18年に本店隣の南館に開業した「フクヤ・アディクト」など路面店の積極的な展開も続ける。今年は1店を新たに開き、1店が改装した。23日は婦人服の「メゾン・イエナ」が東京に続く2店目としてオープンする。(秋吉正哉)

(2019年11月8日朝刊掲載)

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