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[法王 被爆地へ] 行政 準備急ピッチ 広島来訪まで2週間切る 規制周知/「最高」の警戒

 ローマ法王フランシスコの24日夕の来訪まで11日で2週間を切り、広島市や広島県などは受け入れ準備を加速させている。平和記念公園(中区)での「平和のための集い」は、核兵器廃絶に向けたメッセージを発する貴重な場となる。広島県警は「最高レベル」の警戒態勢を予定し、2016年にオバマ米大統領(当時)を迎えた経験も生かす。(久保田剛、山崎雄一)

 「一部の地域において交通規制や施設等への立ち入りを一時制限することが予想されます」。市と県、県警は9日、平和記念公園周辺の相生橋や平和大通りなど15カ所に看板を設置した。周辺の幹線道路などで大規模な交通規制を予定。高速道路を規制する可能性にも触れ、ドライバーたちに理解を求め始めた。

 約2千人が参加する想定の「集い」は、午後6時40分に始まる。午後1時には公園のうち、平和大通りより北側のデルタ地帯への立ち入りを禁止する。原爆資料館など4施設もいったん閉館し、うち資料館を含む2施設は夜に再開する。資料館への訪問が事前に分かっていた県外の小中高1校ずつの計3校には、時間や日程をずらしてもらった。

 集いは1時間足らずの見込み。市は原爆慰霊碑への献花などを想定し、関係機関と職員の配置などの協議を進める。市民活動推進課の山根孝幸課長は「多くの国家元首やオバマ米大統領を迎えてきた。経験を生かし、安心してメッセージを発していただけるよう万全を期す」と力を込める。

 オバマ氏の訪問では、他県警の応援も含め約4600人が動員された。当日は、同公園や広島空港(三原市)、その間の動線となる道路や交差点などのいたるところに警察官が立つとみられる。

 県警は、テロ対策として爆発物の原料となる薬品の取扱店に不審者が来た場合は通報するよう呼び掛けた。警備課の土肥茂樹次席は「詳しい態勢などは安全の観点から言えない。行政と協議しながら詳細を詰めていく」とする。

ローマ法王の広島訪問スケジュール(想定)

午後4時35分 航空機で広島へ
午後5時45分 広島空港に到着
午後6時40分 平和記念公園で「平和のための集い」を開き、法王がメッセージ発信。2千人規模の参列で調整
午後8時25分 航空機で東京へ
午後9時50分 羽田空港に到着

(2019年11月12日朝刊掲載)

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