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原爆の惨禍 樹木医解説 中区で30人巡る

 樹木医の案内で被爆樹木を巡る催しが、広島市中区であった。約30人が、木々の姿を通じて原爆の惨禍などについて考えた。

 平和記念公園のアオギリを出発し、広島城を終着点にする約3キロのコース。案内役の樹木医堀口力さん(74)=西区=の説明を聞きながら、2時間かけて8カ所の計10本を訪れた。爆心地から740メートル離れた広島城二の丸では、枝がうねるように横に広がるユーカリに注目。堀口さんは「被爆の影響で姿勢を制御する機能が失われた」と解説した。

 催しは、中国四国博報堂(中区)と中国新聞社の共同企画「緑の伝言プロジェクト」の一環で9日にあった。参加した公立中学講師の田中みどりさん(56)=西区=は「被爆樹がなぜ爆心地側に傾きながら成長するのか、科学的に解明されていないと知った。原爆が生命に与える影響の恐ろしさを感じた」と話した。

(2019年11月12日朝刊掲載)

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