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原爆資料館 180万人超えへ 19年度入館者 過去最多を更新

リニューアル効果 海外の関心定着

 原爆資料館(広島市中区)の2019年度の入館者数が、オバマ米大統領(当時)が来館した16年度を上回り、初めて年間180万人を超える見通しとなった。3年ぶりに過去最多を更新する見通し。4月の本館リニューアルオープンで国内外の注目を集めたことに加え、海外からの関心の高さが定着したことが背景にあるとみられる。(明知隼二)

 19年度の入館者数は11月末時点で151万7102人で、16年度の同時期に比べて12万8971人多い。12月~20年3月までの残り4カ月間が例年並みであれば、16年度の173万9986人を上回り、180万人を超える見込みという。

 特に外国人の入館者数の伸びが顕著で、11月末時点で45万4536人に達している。過去最多だった18年度の43万4838人を既に超え、7年連続の最多更新を確実にしている。

 資料館は4月25日にリニューアルオープン。犠牲者の遺品など実物資料を中心とした展示に刷新した。直後の大型連休(4月27日~5月6日)には前年同期比で約1・6倍の人が来館。入館を待つ人で連日、長蛇の列ができ、入場を制限した日もあった。

 資料館啓発課は「リニューアルで関心が高まったのは確かだが、外国人の伸びはそれだけでは説明が付かない」とする。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」では、日本の人気観光地として18年に続き2位にランクイン。16年のオバマ氏訪問による注目の高まりを経て、日本での訪問先として定着したとみる。

 資料館はホームページで館内の混雑状況の映像を流すほか、3カ月ごとに日々の混雑予想を提供。混雑回避に活用するよう呼び掛けている。

(2019年12月29日朝刊掲載)

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