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平和教育 広島に学ぶ 海外研究者5人 学校視察

 海外の教育研究者を被爆地広島に招き、平和教育の取り組みに触れてもらう広島大大学院教育学研究科の特別プログラムが9日、広島市などで始まった。米国、シンガポールなど5カ国から各1人が参加。15日まで広島県内の学校現場を視察したり、関係者と意見を交わしたりする。

 同研究科は昨年2月、教育系大学の国際ネットワークに国内で唯一加盟した。これを機に、広島大教育ヴィジョン研究センター(東広島市)が初めて特別プログラムを企画。他に加盟する10カ国の10大学に参加を呼び掛け、希望者から5人を選んだ。

 一行はこの日、広島大付属東雲小・中(南区)で社会科の授業や給食を見学。同小の谷栄次副校長から、被爆証言を聞いたり沖縄の戦跡を訪ねたりする平和学習について学んだ。

 サンパウロ大(ブラジル)のアグナルド・アホイヨ准教授(45)は「宗教間、人種間の争いが増え、見通しの立たない時代だからこそ、広島の平和教育がどう発展してきたかを知りたい。他の紛争経験地にも生かせると思う」と話した。

 一行は期間中、県立広島叡智(えいち)学園(広島県大崎上島町)の平和学習や、基町高(中区)が取り組む「原爆の絵」の制作現場の視察なども予定している。(田中美千子)

(2020年1月10日朝刊掲載)

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