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イージス「適地」 データ提出要請 国に萩市有識者会議

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市、山口県阿武町)への配備計画を巡り、萩市は27日、有識者会議の初会合を開いた。演習場を「適地」とした国の調査結果を検証するため、会議に同席した防衛省の職員に詳細データの提出を求めた。

 会議は冒頭を除き非公開。電磁波や地盤工学、水環境が専門の山口大などの研究者5人が出席した。高橋博史副市長が「国の対策の妥当性を確認する必要がある。科学的、技術的見地から提言を」と要請した。中央大の山田正教授(水文学(すいもんがく))を座長に選んだ。

 市によると、非公開の会議では防衛省職員が演習場を「適地」とした再調査結果を改めて説明。委員からは「レーダーがある他の自衛隊基地で健康被害は確認されているか」との質問や「演習場周辺の水の流れの詳細データがほしい」などの要望が出たという。防衛省側は次回会合でデータを提出するとした。結論の取りまとめの時期などは未定としている。

 藤道健二市長は会議で検証の大枠が固まった後、米軍が地上イージスを配備・運用するルーマニアを視察する予定。会議の検証結果と併せ、配備の是非を判断する意向だ。(原未緒)

調査データ一部 防衛省開示漏れ

 防衛省は27日、イージス・アショアの陸上自衛隊むつみ演習場への配備に関し、中国四国防衛局が山口県内で公開していた調査データの資料の一部に開示漏れがあったと発表した。同日中に資料を追加した。

 開示漏れがあったのは①むつみ演習場の地形図②地形図の基となった航空測量の関連データ③演習場内の側溝やマンホールなどの位置。データ公開後に情報公開請求があり、職員が開示すべき資料が公開されていないことに気付いたという。防衛省担当者は「調査結果に影響はない。確認不足だった」と述べた。

 調査データは萩市のむつみ総合事務所で昨年12月24日から公開していた。

 むつみ演習場への配備を巡っては昨年、防衛省が示したレーダー設置予定場所近くの高台の標高が国土地理院のデータと数値が異なっていることが判明し、当時の岩屋毅防衛相が山口県知事らに陳謝した。

(2020年1月28日朝刊掲載)

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