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被爆75年 平和願う合唱 6月 レクイエム 英語版初

 広島市民や中高生たちが合唱を通じて世界平和を訴える「平和と希望のコンサート」が6月7日、中区のJMSアステールプラザである。原爆で犠牲になった旧広島二中(現観音高)の生徒を悼む合唱曲「レクイエム碑(いしぶみ)」の英語版を初めて披露。被爆75年に合わせ、県合唱連盟と実行委員会が企画した。

 レクイエムは1970年に初演。炎に襲われる生徒を描く「爆発」など9章からなる約45分間の大作だ。コンサート第1部では二中卒業生の被爆者山本定男さん(88)=東区=が指揮し、全9章を披露。第2部のフィナーレでは、エリザベト音楽大の学生たちが英語版の最終章を歌い上げる。

 山本さんは2年生の時に東練兵場(現東区)で被爆。亡くなった1年生を悼んでレクイエムの創作に尽力した。30日に市役所で会見し「分かりやすくダイレクトに世界に平和の尊さを訴えたい」と力を込めた。同連盟理事長の谷千鶴子実行委員長(76)は「多くの外国人に聴いてほしい」と観光客たち100人を無料で招待するとした。

 コンサートは、2014年に国連本部で、被爆70年の15年に広島市などで開き3回目。午後3時開演。3月から販売するチケットは全席自由で一般千円、高校生以下800円(150枚限定)。合唱する若干名をまだ募っている。谷委員長☎082(230)2937。(久保田剛)

(2020年1月31日朝刊掲載)

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