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新品種のバラ 「ICAN」贈呈 被爆者、多摩市へ苗

 廿日市市の被爆者でバラ育種家の田頭数蔵さん(90)が作った新品種のバラ「ICAN(アイキャン)」の苗が17日、東京都多摩市に贈られた。多摩市は市内の植物園や小中学校で育て、核兵器廃絶の大切さを市民に訴えていく考え。

 田頭さんは、非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のノーベル平和賞受賞に心を動かされてICANと名付けた。バラの苗を核兵器廃絶に役立ててほしいと、ICANの川崎哲国際運営委員(ピースボート共同代表)に依頼した。

 苗は、川崎氏の仲介で、多摩市に12株、川崎氏が講師を務める恵泉女学園大(同市)に28株が贈られた。同市は植物園「グリーンライブセンター」などで育て、市民が観賞できるようにする。

 この日、同市役所で贈呈式があり、阿部裕行市長は「本当にうれしい。大事に育てたい」とあいさつ。ピースボートのスタッフの野口香澄さん(30)は「バラが咲き始めたら、核廃絶運動を進める大きな力になる」との川崎氏のコメントを読み上げた。

(2020年2月18日朝刊掲載)

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