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レストハウス 建設時の趣 平和公園 改修完了 1日再オープン

 平和記念公園(広島市中区)にあり、爆心地から南西約170メートルの至近にある被爆建物レストハウスが1日、改修を終えて再オープンする。観光案内所や休憩スペース、一帯の原爆被害を伝える展示室などを備え、国内外からの観光客を迎え入れる。

 鉄筋地上3階、地下1階建て。1階は観光案内や土産物の販売を手掛ける。2階は休憩・喫茶ホールとなり、19歳で被爆死した河本明子さんが愛用した被爆ピアノを常設展示する。

 3階は、今は平和記念公園となった旧中島地区の歴史を紹介。商店や住宅が密集した被爆前の様子を写真や模型で解説する。地下1階は、その場で被爆して奇跡的に助かった野村英三さんの手記などを展示する。

 市は耐震性の確保や機能の充実のため、レストハウスを2018年2月から休館し、改修を進めてきた。外装は1929年に大正屋呉服店として建設された当時に近い姿に戻すとして、薄いだいだい色に塗った。タイルなどは当初の部材を生かしたという。

 30日は関係者を招いた完成式と内覧会がある。市おもてなし推進担当は「レストハウスや平和記念公園の成り立ちをあらためて学べる施設になっている。観光客だけではなく、市民もぜひ訪れてほしい」と呼び掛けている。(明知隼二)

(2020年6月30日朝刊掲載)

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