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レストハウス装い新た 被爆前の市街も紹介 平和公園 2年半ぶり再開

 平和記念公園(広島市中区)の被爆建物レストハウスが1日、改修を終えて約2年半ぶりにオープンした。国内外から広島市を訪れる人を迎え、原爆被害を伝える新たな施設として再出発した。新型コロナウイルスの影響で観光客はまだ少ない中、市民たちが装いを新たにしたレストハウスの姿を確認に訪れた。

 新型コロナの感染予防で地上3階、地下1階建ての建物の各フロアに消毒液を設置。接客を伴う売店や喫茶コーナーのカウンターには透明の仕切りを置いた。密集を避けるため、混み合った場合の一時的な入場制限も検討しているという。

 現在は平和記念公園となった旧中島地区の被爆前の姿を紹介する3階展示室では、市民が熱心に見学していた。公園でボランティアガイドをしている加藤睦治さん(74)=南区=は「よくこれだけの資料が残っていた。ガイドに役立ちそう」と、戦前の街並みを伝える写真や動画に見入った。

 レストハウスは1929年に大正屋呉服店として建設された。市は2018年2月から休館し、改修で外観を当初の姿に近づけたほか、内部に観光案内や売店、喫茶・休憩ホールを整備した。被爆時に近い状態で残る地下室を生かして、建物の被爆の歴史を伝える展示も整えた。開館時間は原則、午前8時半~午後6時。(明知隼二)

(2020年7月2日朝刊掲載)

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