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少女の瞳 平和訴え 「ヒロシマ・アピールズ」ポスター発表

 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)広島地区と広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金は8日、核兵器廃絶や平和の尊さを国内外に訴える2020年版の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターを発表した。周南市出身のグラフィックデザイナー渡〓良重(わたなべ・よしえ)さん(59)=東京都渋谷区=が制作。大きな目が特徴的な少女の顔を正面から描き、命の大切さを伝えるモノクロ作品に仕上げた。

 被爆75年の節目の訴えを担うポスターのタイトルは「いのち」。おかっぱ頭の少女の顔を鉛筆で精緻に描画した。顔はポスターの約3分の2を占め、はっきりした顔立ちや大きな黒目、黒髪一本一本が生命や意志の力強さを感じさせる。

 広島市役所で記者会見した渡〓さんは「新型コロナウイルスによる社会の混乱や争いごとが絶えない世界で、命の尊さを考えてほしいとの思いを込めた」と説明。会見に先立ち、ポスターを贈られた松井一実市長は「見た人が平和について静かな気持ちで考えられる作品だ」と感謝した。

 ポスターは23作目。B1判で2千部を印刷し、1枚1100円で原爆資料館(中区)や市現代美術館(南区)で販売する。8月3~14日に市役所1階ロビーで展示するほか、市内のバス停にも掲示する。(新山京子)

(2020年7月9日朝刊掲載)

※名字は「一点しんにょう」の 「邉」 です

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