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「音の響きを心に」 高校で五藤監督講演 映画「おかあさんの被爆ピアノ」

 広島県内で先行公開中の映画「おかあさんの被爆ピアノ」の五藤利弘監督(51)が30日、広島市中区のクラーク記念国際高広島キャンパスを訪れ、映画に込めた思いを生徒たちに語った。

 ビデオ会議システムを活用し、1~3年の約120人が四つの教室に分かれて聞いた。五藤監督は「県外の若者の中には原爆の日を知らない人もいる。自分たちの世代が伝えていく必要性を認識したことが製作につながった」と強調。映画では実際の被爆ピアノを使っており、「音の響きを心にとどめてほしい」と語り掛けた。

 同校はこの日、1歳5カ月の時に被爆した岡本忠さん(76)=安佐南区=を招き、生徒は家族の被爆体験などを聞いて理解を深めた。

 映画は、被爆ピアノを修復して各地で演奏会を開く調律師の矢川光則さん(68)=安佐南区=をモデルにしたストーリー。同校の約20人が修学旅行生役で出演している。3年松田悠花さん(17)は「私たちと同じ若い世代に、被爆ピアノに込められた平和への思いを知ってほしい」と話していた。(馬上稔子)

(2020年7月31日朝刊掲載)

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