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核禁止条約 国対応を議論 広島で与野党党首ら

 日本被団協や平和団体でつくる「核兵器廃絶日本NGO連絡会」が5日、核兵器廃絶に向けて取るべき日本の政策をテーマにした討論会を、広島市中区で開いた。与野党の党首を含む国会議員11人が参加し、政府が背を向ける核兵器禁止条約への対応について意見を交わした。(宮野史康)

 ウェブ参加したNGO(非政府組織)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のベアトリス・フィン事務局長は、核兵器禁止条約について「日本は選択に迫られている。今加盟しないのは、社会で『恥』と捉えられる」と問題提起した。

 これに対し、尾身朝子外務政務官は「日本のアプローチと異なる。段階的に核軍縮を前に進めていくのが必要」と従来の政府見解を説明した。自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟の平口洋事務局長(広島2区)は「条約に反対するわけではないが、時期尚早。核兵器の削減を中心に進めるべきだ」と述べた。

 野党側は条約に前向きな姿勢が目立った。

 立憲民主党の枝野幸男代表は「批准の条件を、与野党で胸襟を開いて話し合いたい。米国との同盟関係を維持しつつ、条約に参加する道は閉ざされていない」と主張した。国民民主党の玉木雄一郎代表は「条約に反対というメッセージを出すのは控えるべきだ」と政府へ注文。共産党の志位和夫委員長は「条約の発効へ草の根からの運動に全力を尽くしたい」と誓った。

 終了後に記者会見した連絡会の共同世話人で日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(88)は「条約を批准するのは国会であり、議員がその自覚を持って議論してほしい」と話した。

(2020年8月6日朝刊掲載)

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