日本の安全のために米国の核兵器に頼る必要があるか否か―。いわゆる米国の「核の傘」論への賛否は過去、国論を分け、被爆者たちは「核兵器廃絶を訴える一方で核の傘に頼るのは矛盾だ」と訴えてきた。被爆者と若者双方に聞いた。
最多だったのは、被爆者が「分からない」(44・9%)、若者は「必要ない」(50・2%)。被爆者は核の傘論の賛否を判断しあぐねている一方で、若者は過半数が否定しているという現状が浮かび上がった。
被爆者の「必要ない」は24・6%で、若者の半数以下にとどまる。逆に「必要だ」が23・5%で、核の傘の必要性への賛否は、被爆者の間では拮抗(きっこう)している。
若者では「必要ない」に次いで「分からない」(30・9%)が多く、「必要だ」は17・3%にとどまった。
近い将来、核兵器はなくなると思うかという問いに対して、被爆者の69・3%が「思わない」と回答。男性が78・5%で、女性の63・1%を15ポイント以上も上回っている。「思う」は3・2%にすぎず、「分からない」は20・9%だった。
若者では「思わない」が77・6%に上った。中でも大学生は85・8%に達し、年齢が高まるにつれ近未来の核兵器廃絶を困難視していることが分かった。「思う」は6・6%で被爆者よりは高い。「分からない」は15・2%だった。