中国新聞TOP連載「記憶を刻む」原爆・平和情報


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自由記述<若者>

自由記述<被爆者>

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被爆者への質問と回答

解説

自由記述 <被爆者>

被爆者は、核兵器の拡散が進む世界情勢をどんな思いで見つめ、未来を生きる若者たちに何を託そうとしているのか。次の世代に、どうしても言っておきたいことを尋ねた自由記述欄に、被爆者の半数以上の三百五十三人が、切実な思いを記した。その一部を伝える。

 「私の兄は航空兵を志願し、フィリピン方面へ出かけたまま帰って参りません。父も母もずっと待ち続けたまま亡くなりました。私は今でも待っています。会いたい思いでいっぱいです。戦争は心底嫌いです。戦争さえなければ、原爆が落とされることもなかったでしょう。年老いて怒る気力もだんだん失(う)せてしまいそうです」(70代女性)

 「世界唯一の被爆国であることを心に刻み、反核の運動を受け継いでほしい」(70代女性)

 「被爆が原因で両親が長い入院生活の後、死亡しました。家族に話をしますが、現状を知らない者には苦しみはなかなか伝わりにくく、理解してもらえません。原爆はもちろん、戦争は絶対しないことです。苦しむのは一般人です」(70代女性)

 「被爆して、戦争とは何かを強く思うようになった。次の戦争は、核戦争の時代になるだろう。私たちは平和の大切さを次世代に伝える義務がある」(70代女性)

 「私は五歳の時に被爆しました。孫が当時の私の年齢になりました。娘たちにも話しましたが、それほどしっかりと体験は伝わっていません。もっと身内に伝えておかなければと思います」(60代女性)

 「何があっても戦争はいけない」(90代男性)

 「核兵器も、戦争や争いもない平和な緑の地球を残してやるために、自分なりに一人でもコツコツと命ある限り運動を続けてゆきます。戦争に聖戦はない。命を大切に、奪い合いはしないことだ」(70代男性)

 「平和で豊かな時代に埋没しないこと。世界には戦乱が絶えず、衣食住にも不自由している人たちがたくさんいることを常に意識することです」(60代男性)

 「原爆は、人間の存在を根本から否定する悪魔の兵器。人類とは共存できないことを痛切に感じている」(70代男性)

 【注】長文は抜粋、要約した。かっこ内は年齢と性別。


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