被爆体験を受け継ぐ役割が期待されるヒロシマの若者は、核兵器保有国や日本政府にどんな思いを抱いているのか。自由記述欄に寄せられた四百十四人の声から、代表的な意見を紹介する。
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「核兵器は一つ残らずなくしてほしい。もめ事があっても、核兵器など武器を使わず、話し合いなどで平和に解決してほしい」(中1女子)
「『核兵器を捨てろ!』と広島や長崎が頑張るべきだ」(中1女子)
「原爆を落として正解だと思っている人に、原爆資料館に来てもらったらいい」(中1女子)
「私たちは、原爆というつくってはいけないものをつくり、使ってしまったのではないか。もうあんなことが起こらぬよう核兵器をなくし、原爆の恐ろしさを語り継いでいってほしい」(中2女子)
「日本は核兵器を持つべきだ。核は不良のナイフと一緒。持っているだけで威嚇になる。持っていない日本は、持っている中国や北朝鮮になめられる」(中3男子)
「米国は、他国に核兵器所持を禁止させるようなことを言いながら、自国は所持している。平和主義を唱えながら、それに頼っている日本もおかしい」(高1女子)
「原爆投下から六十年たった今、忘れそうになっている核兵器の恐ろしさをあらためて知る必要がある」(高2女子)
「『核兵器は使わないけど持っている』なんてことをしていたら、いつか必ず使ってしまう日が来る。だからなくしてほしい」(高2女子)
「大国が核兵器を持ち、けん制しあって世界中の均衡をとろうというのは、いつか限界が来る」(大1男子)
「日本は唯一の被爆国として、核の恐ろしさ、残酷さを全世界に広める責任がある。二度とこのような惨劇を繰り返さないよう尽力しなければならない」(大1女子)
「米国などはいまだに、人類を絶滅させかねない核兵器を持っているという自覚がない。国を守るために核兵器を所持するなんて間違っている。結果的に自国、さらには地球全体を壊滅させることになる。世界のリーダー的存在を担っているつもりなら、率先して自国の核兵器から廃絶すべきだ」(大1男子)
【注】長文は抜粋、要約した。かっこ内は中学、高校、大学の別と学年、性別。