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オバマ氏広島訪問「成功」 被爆地と新たな関係 ローズ米副補佐官 本紙単独インタビュー

 【ワシントン金崎由美、山本慶一朗】オバマ米大統領の側近で「ヒロシマ演説」の草稿を書いたベン・ローズ大統領副補佐官(38)が6日午前(日本時間7日未明)、ホワイトハウスで中国新聞の単独インタビューに応じた。現職大統領として初めてとなった5月の被爆地訪問を「成功」と評価。演説内容について、「広島訪問から導き出される軍縮の追求という道徳的な使命を語る」とする方針をオバマ氏自身が決めたと明らかにした。

 ローズ氏は、歴代政権で初めて駐日大使を広島市の平和記念式典に出席させ、ことし4月にはケリー国務長官が広島を訪れた過程を強調。「将来の大統領、政府関係者が広島と長崎に行くだろう。ハードルを越えたと思う」と述べ、米国と被爆地との間にオバマ政権が新たな関係を築いたとの自負をにじませた。

 平和記念公園(中区)での52分間の滞在のうち、17分間を割いた演説の原稿の作成過程を巡っては、オバマ氏の希望を受けた調査班が被爆体験記を収集したと明かした。ローズ氏の草稿に対し、オバマ氏自らが原爆投下を描写した冒頭部分をはじめ、かなりの箇所を修正する異例のこだわりを見せたという。

 軍縮政策に関する具体性を欠いたとの批判があることに「批判は理解している」とした上で、「自らの思いを述べるとともに亡き者を追悼する。政策より軍縮の追求という道徳的な使命を語るのが本人の方針だった」と説明した。

 非公開だった原爆資料館内での様子の一部も答えた。オバマ氏が「原爆のさく裂を経て残った資料や写真」を見学したと説明。被爆した10年後に白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんが折った鶴に「最も心を動かされた」と語ったという。もう一つの被爆地・長崎を来年1月までの在任中に訪れる可能性は否定しながらも「オバマ氏は確実に訪問への関心を持っている」と代弁した。

 核攻撃を指令する通信機器などを指す「核のフットボール」を広島に持ち込んだかどうかについては、否定しなかった。

 ローズ氏は、オバマ氏が核問題に対する包括的な構想を打ち出した「プラハ演説」(2009年4月)をはじめ、大統領就任当初から外交演説の作成を担当。5月27日の広島訪問を実行に移す最終判断にも直接関わり、同行した。

(2016年7月8日朝刊掲載)

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