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ヒロシマ用語集

防空壕

44年から本格的増設

 戦時中、空襲(くうしゅう)などの危険がある時、人々は、一時的に「防空壕(ごう)」に入っていました。

 防空壕は、1941年ごろから造られ始めました。内閣情報局が発行していた冊子「週報」には42年、家庭や商店向けに床下に穴を掘(ほ)ったり、商品棚で部屋の一部を囲んだりする「防空待避(たいひ)所」の造り方が紹介されています。

 本格的に防空壕の増設が言われるようになったのは44年。バスや電車の通る人通りの多い道は5メートル、バスが通る道は10メートル間隔(かんかく)で造るように、といった指示が出ました。地面に穴を掘り、上部に板と土砂を積む「地下式」や山の斜面(しゃめん)を掘った「横穴式」があります。家族用や近所の人たち、町内会で造りました。

 実は、今でも防空壕は残っています。国土交通省などによる2009年度の調査では、全国で防空壕などの特殊(とくしゅ)地下壕は9850あり、うち広島県には891あります。