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ヒロシマ用語集

原爆の絵

資料館、4000点以上所蔵

 大やけどをして手を前に突(つ)き出して逃(に)げる人、赤ちゃんを抱(だ)きかかえたまま亡(な)くなった母親、建物の下敷きになった子ども…。被爆体験を基に「市民が描いた原爆の絵」は、原爆資料館(広島市中区)に寄せられ、4千点以上が所蔵(しょぞう)されています。

 「助けてあげられなくてごめんなさい」などの言葉や、被爆当時の惨状を説明する文章も添えられています。

 「市民の手で原爆の絵を残そう」。被爆者の描いた1枚の絵をきっかけに、NHKが1974~75年に呼(よ)び掛(か)け、2225点が寄せられました。

 2002年には広島市や中国新聞社なども呼び掛けに加わり、新たに1338点が集まりました。こうした募集(ぼしゅう)以外でも、絵は資料館に寄せられました。

 描いた人の承諾(しょうだく)が得られた絵は、資料館のホームページで公開しています。学芸員の高橋佳代(かよ)さんは「絵に込められた市民の怒(いか)りや悲しみ、死者を悼(いた)む気持ちを感じ取ってほしい」と話しています。