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ジュニアライター発信

NPO法人「おりづる広島」 はがきや名刺に再生

 NPO法人「おりづる広島」(広島市南区)は、平和記念公園(同市中区)などに寄せられる折(お)り鶴(づる)で、再生紙のはがきや名刺(めいし)を作って、販売(はんばい)する活動をしています。

 折り鶴は、公園内の原爆供養塔(とう)と、広島赤十字・原爆病院(同)から譲(ゆず)り受(う)けます。再生紙作りは、広島県内3カ所の障害者作業所に委託(いたく)。折り鶴4割、牛乳パック6割を使った手すきで、完成紙は、白地に折り紙のカラフルなかけらがちりばめられています。はがきには折り鶴1羽も貼(は)ります。

 広島市が2000年に折り鶴の活用案を募集(ぼしゅう)した時、理事長の船田和江さん(61)が再生紙化を提案しましたが選ばれませんでした。しかし個人で活動を始め、翌年に法人を設立しました。20歳の時に交通事故で左目を失明し、障害者になった船田さん。障害があっても納税する重要性を考え、障害者の自立支援(しえん)として、作業所に委託しているのです。

 船田さんは「はがきや名刺に生まれ変わり、ヒロシマの思いが世界に広がってほしい」と願います。(高2・熊谷香奈、中2・高矢麗瑚)

(2012年3月26日朝刊掲載)

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