×

ジュニアライター発信

被爆イチョウの紙芝居 命の力 テーマに上演

 広島市東区牛田地区の住民による「牛田の歴史と文化を生かしたまちづくりの会」(藤原通礼(ふじはら・みちのり)会長)は、安楽寺の大イチョウをテーマにした紙芝居(かみしばい)を作って上演しています。

 親鸞(しんらん)聖人が東京の寺で植えたというイチョウの枝を、安楽寺の門徒が江戸(えど)時代に持ち帰ったのが由来。成長したイチョウは原爆が投下された時、枝を広げて寺を守りました。傷ついてできた空洞(くうどう)に鳥がすむようになり、人々は平和の訪れを喜んだ―という話です。

 理容院経営の西坂悟(さとる)さん(66)が地元の古老から聞き取り、詩画家のはらみちをさん(83)が絵を担当。イチョウを擬人化(ぎじんか)し、表情豊かに描きました。西坂さんは「原爆から復活した大イチョウから、命の素晴らしさを感じてほしい」と話します。

 寺には子どもたちが平和学習で訪れます。前住職の登世岡(とよおか)浩治さん(82)は、今もイチョウを見守ります。(高3・野中蓮、中2・松尾敢太郎)

(2012年4月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ