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ジュニアライター発信

己斐小の慰霊祭 平和への思い つなぐ

 己斐小(広島市西区)は、2000年から毎年8月6日の夕方に、ピースメモリアルセレモニー(慰霊(いれい)祭)を開いています。

 被爆当時、救護所となった同校では、約2千人が亡くなったといわれています。市中心部で建物疎開(そかい)の作業をしていて被爆し、逃(に)げてきた学徒動員中の少年や少女も多かったそうです。

 ことしの慰霊祭は、児童約140人のほか、保護者、地域住民、遺族らが参加。合唱を披露(ひろう)したり、キャンドルを点灯したりしました。平和アピールでは、6年の女子児童が「戦争をなくすには、互(たが)いを理解し合うことが大切」と宣言しました。

 このほか、7月には、全校児童で平和集会を開き、平和を築くための行動について発表しています。毎年夏には、平和をテーマにした絵を描き、広島青年会議所が市中心部などで展示している「平和のでっかい絵」にも出品しています。

 中山和一校長(56)は、平和に関する活動を通して、命の大切さを学んでほしいと願っています。「被爆地広島の子どもは平和について考え、行動する使命がある。平和への思いをつなげてほしい」と話していました。(中3・井口雄司)

(2012年9月3日朝刊掲載)

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