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ジュニアライター発信

サラーム パレスチナの女性支援

 「サラーム」(広島市西区)は、パレスチナの女性が得意とする刺(し)しゅうの技術を生かして自立を支援(しえん)している団体です。サラームとは、現地の人々が話すアラビア語で「平和」を意味しています。

 この活動は、代表の神垣(かみがき)しおりさん(53)が1991年の湾岸(わんがん)戦争を機に、被害(ひがい)を受けたパレスチナの人々に何かできないかと考えたのがきっかけ。95年に現地で支援活動を始めた広島市出身の友達を、日本で支えることにしました。初めは、東京の団体に属していましたが、2000年に今のグループになりました。

 パレスチナの女性は、民族衣装を作るため、刺しゅうの技術を親から受け継いでいます。神垣さんの友達が現地の女性を指導して、刺しゅうを施したポーチやブックカバーを製作。それを輸入して、バザーなどで売っています。材料費や人件費、送料などを考慮(こうりょ)した適正価格(フェアトレード)での販売(はんばい)です。

 神垣さんによると、現地では男性の失業率が高い中、女性の活動で少しずつ暮らしが豊かになっているそうです。「仕事ぶりが評価された女性が生き生きしているのが、何よりもうれしい」

 紛争(ふんそう)状態が続くパレスチナ。多くの検問所があり、人々は自由に移動したり、商品を運んだりできないそうです。神垣さんは「早く平和が訪れてほしい」と話しています。(中2・岩田壮)

(2013年1月7日朝刊掲載)

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